ビジネスブログ | 家系図作成 33000円から ”先祖の歴史を後世に伝えたい”

家系図作成紀行
お問い合わせ
家系図作成
2014年09月04日 [戸籍]

姻族関係終了届

残された妻は、亡父の親を扶養しなければいけないのでしょうか?
次のような事例を考えてみます。

A子さんの夫は一人っ子だったため、A子さんは、新婚生活の初めから夫の両親と同居していました。義母は、A子さんにつらくあたり、A子さんは耐え続けていました。
そんなところ、数年前に義父が亡くなり、夫も病気で亡くなってしまいました。
A子さんは、ずっと会社勤めをして家計を支えてきました。辛くあたってきた義母は、A子さんに経済的に依存して生活しています。
A子さんは、辛くあたってきた義母とこれからも一緒に生活して扶養していくのは耐えられず、できれば義母と別れて新しい人生を歩みたいと思っています。
A子さんは、このまま義母を扶養し続けていく必要があるのでしょうか。

この答えは、民法877条にあります。
民法877条第1項「直系血族及び兄弟姉妹は、互に扶養をする義務がある」
同第2項「家庭裁判所は、特別な事情があるときは、前項に規定する場合の外、三親等以内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる」

A子さんは、第1項に規定する直系血族等には該当しません。しかし、第2項に規定する3親等以内の親族には該当しますので、特別の事情があるときは扶養の義務を負わなければならないことになります。でも逆に言うと特別の事情がなければ、夫の死後、嫁には義父母の扶養の義務はありません。
特別な事情というのは、夫の実家の財産を受け継いでいるとか、義母に財産がなく、嫁以外に扶養義務者がいないなどの場合があります。

しかし、それ以前に特別な事情のあるなしにかかわらず、扶養義務がなくなる方法があります。それは、民法第728条2項に規定されています。第2項は「夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも前項と同様である」と規定されています。前項というのは、離婚によって姻族関係は終了する旨の規定です。

つまり、A子さんが「姻族関係終了届」を提出すれば、嫁と義母の関係は終了となりますので、家庭裁判所はA子さんに扶養の義務を負わせることはできなくなってしまうのです。
ここで注意しなければならないことは、姻族関係終了届を提出しても、戸籍はそのままの状態となります。戸籍も夫の戸籍から別にしたいときは「復氏届」を提出しなければなりません。念のため、仮に夫の遺産を相続した場合でも返却する必要はありません。

特に嫁姑の関係は大変といわれますが、やはりどこにあっても人間関係は大切にということなのでしょうか。


  • 「お問い合わせ」「資料請求」はこちらから(SSL通信)
  • お問い合わせ
  • 資料請求

PageTop